REPORT特集

東米良観光|山深い里に佇む伝統文化を守る銀鏡神社

2024.02.24



こんにちは!ライターのまつです。

西都市の中心街からおよそ37キロほど離れた山間にある東米良。一ツ瀬川支流の登内川と銀鏡川が交わり、周囲には地蔵岳、オサレ山、雪降山、龍房山がそびえ、まさに大自然に囲まれた場所に位置しています。

東米良はゆずの産地としても知られており、ゆずを栽培しているかぐらの里では毎年収穫時期には全国からゆずとりサポーターが東米良を訪れます。

かくいう私も昨年のゆずとりに参加させていただきました。東米良の自然を感じながらのゆずとりは本当に気持ちがいいものでした。

また、東米良の銀鏡地区にて開催される銀鏡神楽も全国的に知られている神楽の一つです。今回はそんな東米良に位置する銀鏡神社へ行ってきました。

観光体験プログラム『東米良wo肌で感じる体験』


左:藤内さん 右:上米良さん
今回は東米良創生会が実施しているウォーキング(ガイド付き)観光体験プログラム『東米良wo肌で感じる体験』に申込み参加しました。

案内していただいたのは東米良創生会の藤内さんと銀鏡神社の宮司の上米良さん。今回は銀鏡神社を中心に案内していただきました。


神社までの道中にある銀鏡診療所



待ち合わせの山の駅から銀鏡神社まで10分ほど歩きます。



向かう間、銀鏡神社や東米良についてのお話も色々と聞かせていただきました。

銀鏡神社について



1489年3月16日に米良領主によって創建された銀鏡神社。御祭神は磐長比売命(いわながひめのみこと)大山衹命(おおやまつみのみこと)懐良親王(かねながしんのう)。

龍房山と磐長姫尊の銀の鏡と懐良親王の 割符の鏡 わりふのかがみ がご神体となっています。

また代々伝統を守り受け継がれてきた神楽でも知られており、宮崎県内の神楽で最初に国の重要無形民俗文化財に指定されたのがこの銀鏡神楽。

銀鏡神社大祭は12月12日から16日にかけて行われ全国から多くの方が神楽を見に神社へ訪れるそうです。

銀鏡神社に伝わる神話



ご神体の銀の鏡についてこのような神話が語り継がれています。オオヤマツミの娘二神である姉のイワナガヒメと妹のコノハナサクヤヒメ。

コノハナサクヤヒメに一目惚れしたニニギは結婚を申し込むが、父オオヤツミがイワナガヒメも一緒に結婚させようとしたところ、ニニギは一目見るなりイワナガヒメを送り返した。

ニニギに送り返されてしまったイワナガヒメ。鏡に映った自分の顔の醜さを嘆き、鏡を放り投げてしまう。

遠くへ飛んだ鏡は 龍房山 りゅうぶさやま の頂きの大杉に引っかかり、西の方角にある麓の村を昼夜問わず明るく照らし、白く輝いたという。

その村を白見と呼ぶようになり、現在の銀鏡(しろみ)という地名になったそうです。

山里に佇む銀鏡神社



さて、正面の大きな鳥居を潜り階段を登っていくと銀鏡神社が佇んでいました。森林に囲まれていて澄んだ空気で自然を感じることができます。境内は厳かな雰囲気で気持ちが引き締まりますね。


本殿


御神木の根株
幣拝殿 へいはいでん の奥に本殿があり、その更に奥には倒れてしまった御神木の根株が祀られています。




左から順に矢村社、八幡社、若宮社、山之神社
本殿から右の階段を下りていくと境内社の神様である矢村社、八幡社、若宮社、山之神社が鎮座。



社務所の前からは村人の日々の祈りの対象になってきたという神の坐る山「 龍房山 りゅうぶさやま 」を一望できます。この山々の景色は圧巻でした!


内神屋 うちこうや

外神屋 そとこうや
そして星祭りが斎行され、式一番の星神楽が奉納される内神屋と夜を徹して神楽が奉納される外神屋。この神聖な場所を目の当たりして、一度銀鏡神楽を生で見てみたいという気持ちが大きくなりました。

さらに神社の奥に行くと銀鏡神楽のシシトギリ(狩法神事)で奉納される猪を捌く処理場を特別に見学させていただきました。銀鏡神楽当日は、猪の頭が神前に奉納されシシ汁がふるまわれるとのこと。



また翌朝には銀鏡川でけもの類を慰め、山の恵みに感謝を捧げる「ししば祭り」が行われる。このように自然に感謝することで狩猟文化が長きに渡り続いているのだと感じさせられました。

史跡六社稲荷神社



銀鏡城跡に鎮座する「六社稲荷神社」ご由緒として伝わっているのは菊池氏が米良に入山の際に背負ってきた菊池家の氏神様と伝わる説があるとのことです。

また、12月16日の六社稲荷祭では式三番(初三舞・六社稲荷・成就神楽)が奉納されます。



銀鏡神社から歩くこと10分程度。山の中に六社稲荷神社が佇んでいました。



歴史を感じる佇まいに思わず息を呑んでしまいます。



設立は不詳ですが稲荷社の元神にて米良山の地主神なりとあることからその歴史が長いことが分かります。

史跡八坂神社



同じく銀鏡城跡に鎮座する「八坂神社」祇園称とも呼ばれるそうです。急な坂道があったり道も狭かったのもあり慎重に歩きながらなんとか到着しました。



御祭神は岩本将軍、地蔵とあります。山の神聖な雰囲気を感じることのできる場所です。ガイドなしでは地元の方ではない限りなかなかこれるところではないと思うので貴重な体験をすることができました。

銀鏡神社を訪れてみて



最後は山の駅で一息。軽食やお弁当があったりとちょっとした休憩にもってこいの場所です。





地元のゆず商品も揃っているのでお土産を買うのもいいですね。以前参加したゆずとりサポーターの後に飲んだ「ゆずはっち」は最高に美味しかったです。

今回ガイドしていただいた東米良創生会の藤内さんと銀鏡神社の宮司の上米良さんのおかげで、より東米良の歴史を知ることができました。※ウォーキング(ガイド付き)【東米良wo肌で感じる体験】は東米良創生会のホームページから申し込む事ができます。



人と自然が調和し、古くからの伝統が守り続けられている銀鏡神社。みなさんもぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

団体情報

      
団体名 NPO法人 東米良創生会
電話 0983-32-0450
住所 〒881-1231 宮崎県西都市上揚2−2
ホームページ NPO法人東米良創生会

この記事を書いた人

まつ

2023.01に宮崎県西都市に移住しきたまつです。

西都市地域おこし協力隊として移住者目線で西都の魅力を発信しています。

また、出張カメラマンとしても西都市を拠点に活動しています!