REPORT特集

西都原考古博物館|全国でも珍しい「展示物にさわれる」考古博物館

2023.12.06



花の名所としても有名な「西都原古墳群」。そのすぐ近くに、全国でも珍しい"展示物にさわれる"考古博物館があるのです。

入館料はなんと"無料"で、展示物のほとんどがさわれることができ、マニアックなミュージアムショップも併設されている魅力いっぱいの「西都原考古博物館」を取材してきました!

全国でも珍しい!展示物にさわれる考古博物館



西都原考古博物館とは、西都原古墳群を中心とした県内の考古学情報についての展示や、特別展や企画展、講演会が開催される施設です。

また、学芸員による講座、古墳めぐり等の野外活動、埴輪づくりや勾玉づくり等が体験できます。

館内はまるで古墳の中に舞い込んでいくような演出にワクワクし、迫力ある出土品からは当時の暮らしやその背景を探ることができ、旧石器時代から古墳時代へと続くストーリーを追いながら古代人の謎に迫る見どころ満載の博物館です。

ここまで聞くと、普通の博物館でしょう?と思われるかもしれませんが、全く違うのです!

さぁ皆さんも考古博物館に入っていきましょう!!

歴史の変遷が分かる「入り口」



博物館の入り口はとても長いスロープで、地下の展示室に続きます。

そのスロープの手すりには、これまでの2万5千年分の歴史を25メートルのフィルムにて展示。興奮が増します。

さわれる!?展示物の数々



地下につくと、旧石器時代から古墳時代までの様々な展示物が並びます。
石槍、土偶、土器、銅鐸などなど、展示物のほとんどを触りながら学べるのです。

こんな博物館は初めてです!!
 

土器を触りながら学べます。実際に触れてみるとゾクゾクします。
昔と繋がったような気分になりました。



石を割って、こうやって石槍を作っていたんだ~。
 

土偶も触れます。こんな小さいものをどうやって形作っていったんだろ~。
どんどん引き込まれていきます。



銅鐸は、手に持って実際に鳴らすことができます。綺麗な音が博物館にこだまします。

中には、綺麗な勾玉や国宝の展示物、人骨、剣などなど、特に目を引く展示物もありました。
 

考古学の世界へ誘う-映像プログラム-



博物館の中には、巨大スクリーンがあります。
ここでは、約7分間の映像プログラムが定期的に上映されます。  

映像プログラム名 <西都古墳群とその周辺>
西都原古墳群・南九州の歴史を、遺跡や出土品を交えながら紹介し、考古学の世界へと誘う。

ここでは、VR映像プログラムもあるとのこと。必見です。



もう一つ、古墳の形がかたどられたスクリーンもあります。
ここでは、約5分間の映像プログラムが定期的に上映されます。

映像プログラム名 <男狭穂塚・女狭穂塚の築造の謎を探る>
最新の地形測量や地中レーダー探査の成果から、男狭穂塚・女狭穂塚の築造をめぐる謎を探る。



古墳の中に人がどう埋葬されていたかのトリック映像もあります。

これがとにかくすごいです!文章ではこのすごさがお伝えできないので、ぜひ現地でご覧になってください!

博物館のなかに考古学研究室?



博物館の終盤に差し掛かると、このような看板が。。なんだこれ?



かっこいい研究室が出現!!

発掘の手法や今までどのように発掘がなされてきたか等、考古学者目線での資料が並びます。

また、パソコンでは今まで蓄積されてきた情報を検索できます。まるで、自分が研究者になったよう。楽しい。

その奥には収蔵展示室もあり、国内随一の質と量を誇る古人骨と鉄製品の収蔵状況を、ガラス越しに見学できます。

大学の先生などもこの中で研究を行うそう。運が良ければ見れるかもしれませんね。

学芸員 後藤さんに聞いた博物館の魅力と思い



西都原考古博物館 学芸普及担当の後藤さんに、西都原考古博物館の魅力と思いをお聞きしました。

Q:西都原考古博物館の魅力はどのようなものでしょうか?

ここの博物館は、一般的な「常設展示」ではなく「常新展示」という手法を取り入れています。

考古学の情報は、死せる情報ではなく、常に躍動しています。常に新しい情報を展示し、考古学の魅力を最大限に引き出す展示手法です。

研究は日々進んでいます。その研究成果に伴い、ここの展示は変わります。それが最大の魅力ですね。

「次またお越しになったら展示が変わってるかもしれませんよ」と、はにかみながら答えてくれました。

博物館の一般的な考えを覆し、お客さんに常に楽しんでもらおうとする熱意に圧倒されました。
 

Q:最後に、西都原考古博物館への思いを聞かせてください。

もうお分かりの通り、ここの博物館の展示物の多くは「直にふれる」ことができます。

展示の説明等も最小限に抑え、こちらから多くを語らないようにしております。来て頂いたお客さんが直に触れて、感じ、学んで頂く。

小さい時に退屈だった、いわゆる「博物館見学」で終わらせたくない気持ちがありますね。

また、ここはユニバーサルデザインを取り入れており多くの方が利用可能です。
様々な企画展等もございますので、ぜひ皆様に足を運んで頂ければと思います。

後藤さんのお話を聞きながら、私の小さい時の思い出が蘇りました。「博物館見学、、」正直楽しかった思い出はありません。

しかし、西都原考古博物館は、その思い出を見事に吹き飛ばしてくれ、「展示物にさわれる」「常に新しいものを展示する」特徴を持つ素晴らしい博物館でした。


ユニバーサルデザイン:展示室にあるピクトグラム

#カオスでマニアックな「ミュージアムショップ」



西都原考古博物館には、ミュージアムショップも併設されています。

ここは、「#カオスでマニアックなミュージアムショップ」と謳っており、その言葉通り非常に面白いミュージアムショップです。

ここでしか手に入らないオリジナルグッズの販売も行っている!



考古学に関連したかわいい様々な商品がところ狭しと並びます。本当にかわいい商品ばかり!!(笑)
 
 

はにわの形の指サック。オブジェにしてもかわいいね!

ショップスタッフ兼作家の方が作った「ここでしか手に入らないオリジナルグッズ」もありました!

 

 


記念撮影グッズもあり、いい記念になりますね♡




見たことないガチャガチャもあったよ!

ショップスタッフの一言



【左側】ショップスタッフ兼作家の杉田さん 【右側】ショップスタッフの矢野さん


ショップスタッフのお二人に、このミュージアムショップについてお聞きしました。

「ここのミュージアムショップは、カオスでマニアックなミュージアムショップと謳っているだけあって、マニアックな商品をいっぱい取り揃えています。

ここでしか買えないものもあります!歴史嫌いの方でも楽しめるショップになっていると思いますので、ぜひ皆様に立ち寄って頂きたいです!

また、色々な楽しいイベントも開催しておりますので、ご興味があればぜひご参加いただけますと幸いです。」



おもしろそうなイベントが開催されています!

【博物館で学んだことを実際に体験!】古代生活体験館

博物館とミュージアムショップを回り終え館内を歩いていると、何やら気になる掲示が。

「古代生活体験館」、、「本日実施するメニュー」、、



道順に少し歩くと、博物館の後ろにまた別の建物が!



ここは、西都考古博物館の野外施設の西都原古代生活体験館。

考古博物館で「勾玉や埴輪、土器など昔の生活を知り」、その後に古代生活体験館に来ていただき「実際に体験」してもらうのが目的との施設。

考古博物館で気持ちが高まっている私は、博物館でさわった石槍を実際に作ってみることにしました。



まずは、体験指導員さんと削っていく「石」の選定を行います。



選んだ後は、どんどん削っていきます!!
世界に一つだけしかない自分の「石槍」を作っていきます!興奮がとまりません!!

30分ほど削りましたが、適宜体験指導員のお助けもあり難なく作業することができました。



完成!!!!かっこいい!!!

これが私が作った、世界に一つだけの「石槍」です!



20代後半の私含め友人も、年も忘れて童心が蘇り楽しめました(笑)
やっぱり男の子ですね~(笑)



勾玉も家に飾りました。一生の思い出になること間違いなしです!

ちなみに、他の体験メニューや体験料金等は以下の記事で詳しく書かれていますので、ぜひチェックしてください。
 

西都原考古博物館と古代生活体験館で遊んでみて

西都原考古博物館は、「展示物にさわれる」「常に新しいものを展示する」特徴を持つ他に類を見ない施設であり、その学んだことを古代生活体験館にて実際に自分で体験できる。

また、ミュージアムショップはかわいい商品ばかり。

今までの見るだけだった「博物館」とは全く異なり、あまり博物館に興味のなかった私でも十二分に楽しめる施設でした!

老若男女問わず絶対に楽しめる施設になっています。ぜひここ「西都原考古博物館」へ足をお運びください。超おすすめです!

施設詳細情報

店名 宮崎県立西都原考古博物館
電話 0983-41-0041
住所 宮崎県西都市三宅5670
開館時間 9:30~17:30
休館日 月曜日 国民の祝日の翌日 年末年始(12月28日から1月4日まで)
ウェブサイト 宮崎県立西都原考古博物館 ホームページ
 
店名 宮崎県立西都原考古博物館ミュージアムショップ
住所 宮崎県西都市三宅5670
開館時間 10:30~16:30
休館日 月曜日 国民の祝日の翌日 年末年始(12月28日から1月4日まで)
Instagram ミュージアムショップ アカウント

この記事を書いた人

マル

2023年4月に西都にUターンしてきたマルです。私の大好きな故郷 西都の魅力を発信していきます!

生まれは西都、育ちは大阪/高槻市。

西都に来る前は、国際宇宙ステーション(ISS)の管制官業務やJAXA宇宙食及び生活用品の研究開発業務等を行っていました。

現在、西都市地域おこし協力隊として活動しながら、サウナ屋店主としても活動中です!