REPORT特集

宮崎県西都市「だるま亭」店主インタビュー|西都の恵みと温もりを届ける創作居酒屋

2025.10.16



宮崎県西都市の「だるま てい 」は、1984年10月創業の地元から愛される「居酒屋」の一つです。

店主の 矢野 壮一 やの そういち さんに、お店のこだわりや思い、今後の展望などについてお話を伺ってきました。「だるま亭」ならではの魅力をぜひ知ってくださいね。

西都市のだるま亭|創業ストーリーと店名の由来

「だるま亭」の店主である矢野さんが、なぜ宮崎県西都市に居酒屋を開業するに至ったのか。その経緯と店名の由来についてご紹介します。

「だるま亭」開業までの道程



矢野さんは高校卒業後、料理の道を志して大阪へ。調理師専門学校で基礎を学び、卒業後は市内の割烹料理店をはじめ、複数の店舗で経験を重ねていきました。

24歳まで料理人としての腕を磨きながら、多忙な現場の中で技を身につけていきます。

そんな中、父が営んでいた寿司店「だるま寿司」を現在の場所へ移転する話が持ち上がります。新たな場所で再出発するというタイミングにあわせて、矢野さんも西都市へ戻ることを決意。

家族で力を合わせて新しい店舗を立ち上げる運びとなりました。こうして1984年10月11日、「だるま亭」がオープン。父、弟、矢野さんで始めた店は、地域に根ざした居酒屋として新たなスタートを切りました。

その後、父が体調を崩して現場を離れ、弟も店を離れることに。

気づけばお店に立つのは、矢野さんと奥さまの二人だけとなりました。支え合いながら、来る日も来る日もお店に立ち続けた日々。その積み重ねが40年の歴史となり、今もなお変わらず地域に温かい食と会話を届け続けています。

店舗名の由来



「だるま亭」という店名は、父が営んでいた寿司店「だるま寿司」から引き継いだものです。

開業当初は寿司も提供していましたが、店主のこれまでの経験を活かし、和食を中心に幅広い料理を出す居酒屋スタイルへと変化。

その中で、寿司という枠にとらわれない店であることを表すため、「寿司」の文字を外し、現在の「だるま亭」と名付けました。

家族の歴史と味への誇りを受け継ぎながら、より多くのお客さまに楽しんでもらえる店として歩みを続けています。

だるま亭店主インタビュー|苦労と喜び、そしてこれから

「だるま亭」の店主である矢野さんに現在に至るまでの苦労や喜び、そして今後の展望についてお話を伺いました。

お店を続けていくなかで大変だったこと



最初は家族6人で始めたんですけど、しばらくして父が現場を離れることになって、弟もその前に店を離れて。結局、私と妻のふたりでやることになったんです。

当時は本当にふたりとも休む間もなく働いていました。12月と1月は60連勤なんてこともありました。食洗機なんてない時代で、洗い物も全部手洗い。

「休む」という選択肢はなく、「やるしかない」という気持ちだけで乗り切っていましたね。毎日が、まさに勝負でした。

お店を続けてきて良かったこと



やっぱり一番は、いろんな人と出会えることですね。ホテルの隣という立地もあって、地元の方はもちろん、県外からのお客さんも多かったです。

プロ野球選手、芸能人、行司さん、太鼓の演奏者さんまで、本当にいろんな人が来てくれました。今でも手紙や贈り物をいただくことがあって、そういうのがすごく励みになります。

あとは、1人で来る常連さんも多いんです。話し相手がほしいから来てくれる人とか、「ここに来たら誰かと話せる」って言ってくれるのがうちは嬉しいんですよね。

今後の展望



今は夫婦ふたりで切り盛りしているので、自分たちのペースで無理なく続けられたらと思っています。子どもたちも巣立ちましたし、孫にお小遣いをあげるくらいの余裕は持っていたいですね(笑)。

今でも鮎やヤマメは今でも山に入って自分で獲っています。川に潜ってモリで突いた天然もの。仕入れではなく、自分の手で獲ったものを出す。それがだるま亭のこだわりなんです。

そうした料理を楽しみにして通ってくれるお客さんがいる限りは、まだまだ頑張ろうかなと思っています。

だるま亭のこだわり



「だるま亭」のいちばんの魅力は、何といっても天然ものへの揺るぎないこだわり。

鮎やヤマメは、店主自ら山に入り、川に潜ってモリで突いてくる天然もの。天候や川の状態に左右されるため、鮮度が命の「せごし」は、まさにその日限りの特別な味です。タイミングが合えば、ようやく出会える一皿でもあります。

一方で、「鮎の塩焼き」は比較的安定して楽しめる人気メニュー。香ばしく焼き上げた身には、天然ならではの旨みがぎゅっと詰まっています。

さらにアオリイカも、店主が県北や大分まで足を運び、自ら釣って仕入れるこだわりぶり。

野菜にもぬかりはなく、西都産のとれたて野菜をふんだんに使用。素材本来の味を生かす調理を心がけ、旬の恵みを丁寧に届けています。

また、牛焼肉丼をはじめ、カレーや丼もの、雑炊・お茶漬けなどの食事メニューも充実。しっかり食べたい方にも嬉しい品ぞろえです。

自然の恵みをそのまま味わえる料理の数々。その時にしか出会えない味を楽しめるのも、「だるま亭」ならではの魅力です。

だるま亭でここでしか味わえないこだわりの料理

だるま亭は、店主自らが天然のアユやヤマメを獲りに行く、こだわりのお店。

素材の味を大切にした丁寧な料理と、店主ご夫婦のあたたかな人柄が、訪れる人を迎えてくれます。

「また来たい」と思わせるのは、料理のおいしさだけではありません。どこか懐かしく、心がほっとするような時間が流れているから。

そんな空気を感じに、ぜひ一度足を運んでみてください。

この記事を書いた人

まつ

2023.01に宮崎県西都市に移住してきた「まつ」です。

西都市地域おこし協力隊として、移住者目線で西都の魅力を発信しています。