こんにちは!ライターのまつです。
宮崎県西都市の中心街から車で約1時間、山々に囲まれた自然豊かな地域「東米良」。一ツ瀬川支流の登内川と銀鏡川が交わり、周囲には地蔵岳、オサレ山、雪降山、龍房山がそびえ、まさに大自然に囲まれた場所に位置しています。
東米良はゆずの産地としても知られ、ゆずを栽培するかぐらの里では、収穫時期になると毎年全国から「ゆずとりサポーター」が訪れる人気の地域です。私も昨年ゆずとりに参加し、爽やかな空気の中での収穫作業を満喫しました。
また、東米良といえば銀鏡地区にて開催される「銀鏡神楽」も全国的に知られています。
今回は、東米良の観光体験プログラムに参加しながら、銀鏡神社を訪れてきました。
銀鏡神社の魅力を知る、ガイド付き散策
左:藤内さん 右:上米良さん
今回は、東米良創生会が実施しているウォーキング(ガイド付き)観光体験プログラム『東米良wo肌で感じる体験』に参加しました。
案内をしていただいたのは、東米良創生会の藤内さんと銀鏡神社の宮司の上米良さん。今回は銀鏡神社を中心に案内していただきました。
神社までの道中にある銀鏡診療所
待ち合わせ場所の山の駅から銀鏡神社までは、徒歩で約10分。
道中では、銀鏡神社や東米良にまつわる興味深いお話をたくさん伺いました。
銀鏡神社について
1489年3月16日、米良領主によって創建された銀鏡神社。
代々受け継がれてきた伝統の神楽でも知られ、宮崎県内の神楽で最初に国の重要無形民俗文化財に指定されたのが、この銀鏡神楽です。
毎年12月12日から16日にかけて行われる銀鏡神社大祭には、全国から多くの方が神楽を見に訪れます。
御祭神

御祭神は磐長比売命(いわながひめのみこと)大山衹命(おおやまつみのみこと)懐良親王(かねながしんのう)。
龍房山と磐長姫尊の銀の鏡と懐良親王の
割符の鏡 がご神体となっています。
銀鏡神社に伝わる神話
ご神体の「銀の鏡」についてこのような神話が語り継がれています。
オオヤマツミの娘二神である姉のイワナガヒメと妹のコノハナサクヤヒメ。
コノハナサクヤヒメに一目惚れしたニニギは結婚を申し込むが、父オオヤツミがイワナガヒメも一緒に結婚させようとしたところ、ニニギは一目見るなりイワナガヒメを送り返した。
ニニギに送り返されてしまったイワナガヒメ。鏡に映った自分の顔の醜さを嘆き、鏡を放り投げてしまう。
遠くへ飛んだ鏡は 龍房山 の頂きの大杉に引っかかり、西の方角にある麓の村を昼夜問わず明るく照らし、白く輝いたという。
その村を白見と呼ぶようになり、現在の銀鏡(しろみ)という地名になったそうです。
山里に佇む銀鏡神社
正面の大きな鳥居をくぐり、階段を登っていくと、銀鏡神社が佇んでいました。森林に囲まれた神社は澄んだ空気に包まれ、自然の豊かさを肌で感じることができます。
境内は厳かな雰囲気で気持ちが引き締まりますね。
本殿
御神木の根株
幣拝殿 の奥に本殿があり、そのさらに奥には倒れてしまった御神木の根株が祀られています。
左から順に矢村社、八幡社、若宮社、山之神社
本殿から右の階段を下りていくと境内社の神様である矢村社、八幡社、若宮社、山之神社が鎮座。
社務所の前からは村人の日々の祈りの対象になってきたという神の坐る山「
龍房山 」を一望できます。その雄大な景色には圧倒されました。
内神屋
外神屋
そして、星祭りが斎行され、式一番の星神楽が奉納される内神屋と、夜を徹して神楽が奉納される外神屋。この神聖な場所を目の当たりして、一度銀鏡神楽を生で見てみたいという思いが強くなりました。
狩猟文化と自然への感謝、シシトギリ(狩法神事)
神社のさらに奥に進むと、銀鏡神楽のシシトギリ(狩法神事)で奉納される猪を捌く処理場を特別に見学させていただきました。銀鏡神楽当日は、捌いた猪の頭が神前に奉納され、シシ汁がふるまわれるとのことです。
翌朝には銀鏡川で、けもの類を慰め、山の恵みに感謝を捧げる「ししば祭り」が行われます。このように自然への感謝が根付いた文化によって、狩猟の伝統が長きにわたって受け継がれてきたのだと実感しました。
銀鏡城跡に点在する史跡

銀鏡城跡には、歴史と伝承が息づく史跡が点在しており、それぞれが地域の豊かな歴史を物語っています。
史跡六社稲荷神社
銀鏡城跡に鎮座する「六社稲荷神社」。
ご由緒として伝わっているのは、菊池氏が米良に入山の際に背負ってきた菊池家の氏神様と伝わる説があるとのことです。
また、12月16日の六社稲荷祭では式三番(初三舞・六社稲荷・成就神楽)が奉納されます。

銀鏡神社から歩くこと10分程度。山の中に六社稲荷神社が佇んでいました。

歴史を感じる佇まいに思わず息を呑んでしまいます。

設立は不詳ですが、稲荷社の元神にて米良山の地主神なりとあることから、その歴史が長いことが分かります。
史跡八坂神社
同じく銀鏡城跡に鎮座する「八坂神社」。
祇園称とも呼ばれるそうです。急な坂道があったり道も狭かったのもあり、慎重に歩きながらなんとか到着しました。
御祭神は岩本将軍、地蔵とあります。山の神聖な雰囲気を感じることのできる場所です。
ガイドなしでは地元の方でない限り訪れるのが難しいと思われ、とても貴重な体験となりました。
銀鏡神社を訪れてみて
銀鏡神社を巡った後は、最後に山の駅でひと息つきました。

軽食やお弁当があり、ちょっとした休憩にぴったりの場所です。

地元のゆず商品も揃っているので、お土産を買うのもいいですね。

以前参加したゆずとりサポーターの際に飲んだ「ゆずはっち」は最高に美味しく、思い出の味となっています。
今回ガイドをしていただいた東米良創生会の藤内さんと、銀鏡神社の宮司の上米良さんのおかげで、東米良の歴史や魅力をより深く知ることができました。

人と自然が調和し、古くからの伝統が守り続けられている銀鏡神社。みなさんもぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。