REPORT特集

宮崎県西都市「蛇の目寿司」親父の背中を追い続ける寿司屋の軌跡

2024.10.30



宮崎県西都市御舟町の「 蛇の目 じゃのめ 寿司」は、1960年に西都市に移転してきた老舗で、地元から愛される「寿司屋」の一つです。

二代目の 手束 てづか 秀司 しゅうじ さんに、こだわりや思い、今後の展望などについてお話しを伺ってきました。「蛇の目寿司」ならではの魅力をぜひ知ってくださいね。

西都市の蛇の目寿司|継承ストーリーと店名の由来

「蛇の目寿司」の現2代目店主が、なぜ宮崎県西都市で地元に愛される寿司屋を継ぐことになったのか。その経緯と店名の由来についてご紹介します。

現2代目店主 手束さんの経歴と「蛇の目寿司」の歴史



現2代目の手束 秀司さんは、宮崎県宮崎市生まれ。当時宮崎市で「蛇の目寿司」を営んでいた手束家に生まれます。

先代(秀司さんの父)は、宮崎市中央通りで「蛇の目寿司」を開業しました。当時「寿司文化」がまだ世の中に定着していない時代で、宮崎市内に寿司屋は3、4店舗しかなかったそうです。



そして、1960年(秀司さんが小学4年生の時)に、一ツ瀬ダムの建設に伴う経済効果があった西都市の妻地域に、売上向上のため移転しました。

宮崎市に比べさらに「寿司文化」が根付いていない西都では、ばら寿司などでない「本物の寿司」を楽しめると、お店は非常に繫盛したそうです。

蛇の目寿司 店外写真

秀司さんが中学生の時、兄が店を継がないことがわかりました。父の頑張る姿を見てきた秀司さんは、今まで父が作り上げてきた「蛇の目寿司」をなくしたくない、自分が継承したいと考えるようになります。

そして、西都商業高校に入学。この頃から、学校の部活動には参加せず、出前や配達など店の手伝いに励みました。

その後、秀司さんは20代前半に調理技術を向上させるため、宮崎市の天ぷら店や京都の寿司店で修業を行い、25歳の時に「蛇の目寿司」に戻って憧れだった父と一緒に寿司を握るようになりました。

蛇の目寿司 天ぷら

店舗名の由来

「蛇の目」は言葉の通り「へびの目」。へびは昔から縁起が良いとされており、そこから来たのではと、秀司さんが教えてくれました。

秀司さんも噂話程度で、母から教えてもらったそうです。

蛇の目寿司 二代目インタビュー|苦労と喜び、そして今後の展望

現2代目店主の手束 秀司さんに「蛇の目寿司」を継いでから現在に至るまでの苦労や喜び、そして今後の展望についてお話を伺いました。

お店を継いで大変だったこと



大変だったことか……うちはね先代の親父が病気で亡くなってしまった。

うちに来てくれるお客さんは、90パーセント以上が親父のお客さん。すし酢の配合などは先代と同じなのに、常連さんからは「先代の味と違う」と言われることがよくありましたね(笑)

たぶん、話し方や振る舞いなど「味」だけではない部分にも、親父には人を惹きつけるものがあったのかなと思います。

まぁそれを覆せるように今まで頑張ってきたところが、大変だったことですかね。

お店を継いで良かったこと

親父は、私と比べて「苦労」が違う。ゼロから開業するのは資金面でも大変だし、移転を決断するのもすごいことですが、当時の親父は本当に休みなく働いていました。

その親父の店を続けられている、守れているというのは、この上ない喜びですね。

親父のお客様のお子さんやお孫さんが、今でもよくうちの店に来てくれます。私もすごく年を取ったんだなと実感するんですが(笑)、そのようなお客さんと会えるのは嬉しいですね。

今後の展望

まだ先の話だけど、どうやって店仕舞いをしようかなと考えているところです(笑)

正直なところ後継者がいなくてね。でも、私の体が動くうちはまだまだ頑張りますよ。

親父の店も私の代で終わりです。その時が来るまで、お客様を裏切らないように、この店を守り抜いたと胸を張って言えるよう、一生懸命頑張ります。

ぜひ、うちの寿司を食べに来ていただけますと幸いです。

蛇の目寿司のこだわり|ごまかさない「普通」の寿司を提供したい



来店するお客様は年配の方が多く、ゆっくりとした時間を楽しんでいただきたいと店主は語りました。

店主にこの店のこだわりをお聞きすると、「こだわりがないのがうちのこだわりかな」と話してくれました。

ごまかさない、いい意味での「普通の美味しい寿司」を提供することを大切にされているそうです。

店内写真

年配の方に嬉しいテーブル席

親父の想いと共に続く、西都の『蛇の目寿司』

今回、店主の手束さんにお話を聞かせていただき、ますます「蛇の目寿司」のファンになりました。

「蛇の目寿司」は西都の歴史、そして先代の親父さんとの思いが詰まったお店です。

ぜひ皆さまも創業当時から変わらない「ごまかさない普通のお寿司」を「蛇の目寿司」でご賞味ください。
情報詳細

 西都ゆるなび掲載ページ|寿司・和食「蛇の目寿司」

この記事を書いた人

マル

2023年4月に西都にUターンしてきたマルです。私の大好きな故郷 西都の魅力を発信していきます!

生まれは西都、育ちは大阪/高槻市。

西都に来る前は、国際宇宙ステーション(ISS)の管制官業務やJAXA宇宙食及び生活用品の研究開発業務等を行っていました。

現在、西都市地域おこし協力隊として活動しながら、サウナ屋店主としても活動中です!