REPORT特集

宮崎県西都市「うなぎの入船」創業以来変わらぬ炭焼きの技を守る専門店

2024.06.30



宮崎県西都市南方の「うなぎの入船」は明治27年(1894年)に創業した老舗で、言わずと知れた西都の名店の一つです。

うなぎの入船 現4代目代表の横山 武士 たけし さんに、こだわりや思い、今後の展望などについてお話しを伺ってきました。「うなぎの入船」ならではの魅力をぜひ知ってくださいね。

西都市のうなぎの入船|継承ストーリーと店名の由来

「うなぎの入船」の現4代目代表の横山武士さんが、なぜ宮崎県西都市のうなぎ料理の名店を継ぐに至ったのか。その経緯と店名の由来についてご紹介します。

4代目代表 横山武士さんの経歴|名店のうなぎ屋を継ぐまで



現4代目代表の横山武士さんは、宮崎県西都市出身。脈々と「うなぎの入船」を受け継ぐ横山家に生まれ、高校生まで西都市で育ちます。

武士さんは横山家に生まれたのにもかかわらず、食わず嫌いで「うなぎ」をあまり食べたことがなく、うなぎがおいしいという認識もしていませんでした。



西都の高校を卒業し、なんとなく福岡の調理師専門学校に入学します。そして、この福岡で横山さんの人生に転機が訪れます。

何の気なしに福岡のうなぎ屋に友達と行ったときのこと。そこで「うなぎ」の美味しさを初めて認識します。

そこから「うなぎ」について段々と興味が湧き、うち(入船)の「うなぎ」はどれだけ美味しいのだろうかと思い始めたのです。



そして、西都に帰って、入船のうなぎを一口。美味しさに驚いたと同時に「この店は守っていかんといけんな」と感じたそうです。23才の時に家業を継ぐ決意をし、福岡から西都に帰ってきました。

店舗名の由来

「うなぎの入船」は国道219号線に沿う形で位置しており、店舗がある敷地の周りの道と219号線結ぶと、ちょうど船の形に似ているため、「入船」という名称になりました。

横山武士さんも噂話程度で、おばあちゃんから教えてもらったそうです。


「うなぎの入船」航空写真

うなぎの入船 代表インタビュー|苦労と喜び、そして今後の展望

現4代目代表の横山武士さんに家業を継いでから現在に至るまでの苦労や喜び、そして今後の展望についてお話を伺いました。

お店を継いで大変だったこと

大変だったこと……というより今も大変なことは、「地元の人に認めてもらう」ということですね。

入船って昔から地元の繋がりが結構強いんですよ。僕の親父が「横山 邦夫 くにお 」というんですけど、みんなから「くんちゃん」って呼ばれていて。

地元の皆さんには「入船=くんちゃん」という意識があって、その認識を変えて僕も認めてもらうっていう点が大変ですね。

大看板「うなぎの入船」を背負うということ

家業を継ぐにあたって、親父からの指導はあまりなくて「見て覚えろ」という感じでした。

今は親父が会長職で、私が入船の代表として焼き台に立たせてもらっています。代表になる前は、そんなに「入船という看板」を意識していなかったのですが、なってみるとやっぱりその看板は重いなって思いますね。

でもやることは昔と変わらないんで、入船の心臓「炭焼き」を継承し「入船=横山武士」だって皆さんに思ってもらえるように一生懸命精進します。


写真真ん中:横山邦夫さん

お店を継いで良かったこと

う~ん……正直まだ見いだせていないかもですね。今は「使命感」って方が強いかも。

うなぎって正直高いじゃないですか。やっぱりそれを裏切れない、とにかくその使命ですね。
入船っておいしいねって言ってもらえるよう努力するだけですね。

でも嬉しいのは、やはりお客さんの「ここは昔と変わらんね~」「入船は変わらずおいしい」という言葉ですね。昔と変わらない入船の味・価値を提供できたと感じた時は救われます。

今後の展望

古き時代の良いこと「入船の味」はそのままにして、時代に合わせてお客さんのニーズに応えるような取り組みをしていきたいです。

たとえば、カウンター席やオムツ交換所を設けるとか、待ち時間を減らすようにシステムを導入するなど、変えていった方が良いところは変えていきたいです。

入船に来てもらって、お客さんがより満足できるように、入船の味を守りつつ自分のエッセンスも入れていきたいですね。

うなぎの入船の魅力|炭焼きと定食へのこだわり

横山さんに「入船のこだわり」をお聞きしました。

創業から変わらない「炭火焼き」

入船のうなぎは、創業から変わらない「炭火焼き」によって調理されます。

炭で焼くことで臭みがなくなるため、山椒は基本置かないようにしているとのこと。

炭火焼きの香ばしさと甘いタレが口いっぱいに広がります。

うなぎだけではない「定食」全体へのこだわり



横山さんは、「私たちは、うなぎの“定食屋”です。うなぎだけが美味しいだけではダメ。」といいます。

うなぎだけでなく、白ごはん・呉汁・漬物など、定食の一品一品にこだわりを持っています。

呉汁は、大豆をミキサーですりつぶすのではなく、すり鉢で数時間かけて丁寧にすりつぶして汁にしていきます。

漬物は、先代のおばあちゃんから受け継ぐ「ぬか床」で漬けているとのこと。

一品にも妥協がない「うなぎ定食」、人気の理由がわかります。


呉汁


漬物

宮崎県西都市でおいしい「うなぎの入船」

今回、言わずと知れた西都の名店の一つ「うなぎの入船」を取材してみて、入船さんがなぜこんなに有名なのか人気なのかが、わかった気がします。

創業当時から脈々と受け継がれる手法やこだわり、そして継承した現代表の思いをお聞きして、入船の神髄を見ました。

皆さまもぜひ創業当時から変わらない味の絶品うなぎを「入船」でご賞味ください。
情報詳細

 西都ゆるなび掲載ページ|鰻料理専門店「うなぎの入船」

この記事を書いた人

マル

2023年4月に西都にUターンしてきたマルです。私の大好きな故郷 西都の魅力を発信していきます!

生まれは西都、育ちは大阪/高槻市。

西都に来る前は、国際宇宙ステーション(ISS)の管制官業務やJAXA宇宙食及び生活用品の研究開発業務等を行っていました。

現在、西都市地域おこし協力隊として活動しながら、サウナ屋店主としても活動中です!