REPORT特集

宮崎県西都市「ベルグレフィン」受け継がれる想いと新たな挑戦

2025.01.29



宮崎県西都市の「ベルグレフィン」は、1981年に創業した地域で親しまれている洋菓子店の一つです。

3代目店主の 児玉 大樹 こだま だいき さんに、こだわりや思い、今後の展望などについてお話しを伺ってきました。「ベルグレフィン」ならではの魅力をぜひ知ってくださいね。

西都市のベルグレフィン|継承ストーリーと店名の由来

「ベルグレフィン」の現3代目店主が、なぜ宮崎県西都市の地元に愛される洋菓子店を継ぐに至ったのか。その経緯と店名の由来についてご紹介します。

現3代目店主 児玉さんの経歴と家族ストーリー



現3代目の児玉さんは宮崎県西都市出身。幼い頃から、祖父が営む「ベルグレフィン」で、ケーキ作りの楽しさと同時にその大変さにも触れて育ちました。

小学校3年生のとき、児玉さんの父が独立し、宮崎市で洋菓子店「ビーショコラ」を開業。それに伴い、宮崎市へ移住することとなります。

その後、児玉さんは福岡大学に進学。大学では経済学と経営学を学ぶ傍ら、洋菓子店でのアルバイトを経験し、現場での実践的なスキルを磨きました。

卒業後は福岡のIT企業に就職し、マネジメント業務を通じて経営のノウハウを深めていきました。

しかし、そんな中、実家から「お店の経営がピンチなので手伝ってほしい」との連絡が届きます。

大学での学びと企業で培った経験が豊富な児玉さんに、家族の期待が託されたのです。

祖父も高齢となり自分が家業を守る必要性を強く感じた児玉さんは、2023年1月に本格的に事業へ関与することを決意。

祖父の「ベルグレフィン」と父の「ビーショコラ」を法人化する取り組みを進め、同年9月には「株式会社 児玉菓子工房」の代表取締役に就任しました。

こうして、家族三代にわたるケーキ作りの伝統を受け継ぎながら、新たな一歩を踏み出しました。

店舗名の由来



祖父が開業した「ベルグレフィン」は、祖母・鈴子さんの名前に由来しています。

「ベル(bell)」は鈴子さんの「鈴」を英語で表したものであり、「グレフィン(grafin)」は貴婦人を意味しています。祖父が祖母への敬意と愛情を込めて名付けた店舗名です。

父が独立して開業した「ビーショコラ」の店名にも、この伝統が受け継がれています。

「ビー(B)」は、祖母の「鈴子」を象徴する「ベル」の頭文字を採用したもの。「ショコラ」は、父が東京で修行していたショコラティエとしての経験に基づき、チョコレートを軸としたケーキ作りへの想いが込められています。

ベルグレフィン店主インタビュー|苦労と喜び、そしてこれから

「ベルグレフィン」の3代目店主である児玉さんに現在に至るまでの苦労や喜び、そして今後の展望についてお話を伺いました。

お店を継いで大変だったこと



お店を継ぐ中で、一番大変だったのは財務面の改善でした。

祖父が長年続けてきた洋菓子店は、飲食業の中でも特に利益率が低いって言われているんです。

実際に経営に携わるようになってみると、物価の高騰とか、お客様への価格影響とか、本当に難しい課題が次々と出てきました。

商品の値段を大きく上げちゃうと、お客様が離れてしまう可能性があるので、そのバランスを取るのが一番苦労したところです。

まず手をつけたのは、無駄を徹底的になくすことと、商品の種類を絞り込んで強みを押し出すことでした。

これは祖父の教えを受け継ぎながら、試行錯誤を繰り返して、少しずつ成果が出てきた部分です。
 

祖父は体調を考えて現場に立つ頻度を減らしているんですけど、それでも週に一度はお店に出てきて、看板商品のシュークリーム作りを担当しています。

生地を焼いたりカスタードを炊いたりと、一部の工程を今も担っていて、現場で菓子作りへの想いをそのまま形にしてくれてる姿を見ると、本当に励まされますね。

お店を継いで良かったこと



お客様の声を直接聞いて、それを商品に反映できるのも大きなやりがいです。

たとえば、お客様から「こんなお菓子があったら」という何気ない一言をヒントに新しいケーキを作り、「美味しい」と喜んでもらえる瞬間はとても嬉しいです。

お客様の反応を直接感じられるのがやりがいになっています。



祖父の教えで印象的なのは、「流行に流されず、自分が信じた商品を売れるよう努力すること」です。その代表例がベルグレフィンの看板商品「鬼の窟シュー」です。

まだお店を開く前に西都原古墳群にある「鬼の窟」をみて見た瞬間にパッてひらめいてシュークリームになったみたいなんですよね。

今ではお店を代表する商品となり、この商品が多くの方に愛されていることに誇りを感じます。

今後の展望

祖父は「口コミで広める」ことを大事にしてきましたが、今の時代に合った方法で、お店の魅力をもっと多くの人に知ってもらえたらと考えています。

たとえば、出店イベントに参加したり、ネット販売を強化したりして、これまで以上に幅広いお客様にアプローチしていきます。

看板商品の「鬼の窟シュー」を、どうしたらもっと多くの方に届けられるかを考えるとワクワクします。

それから、法人化をきっかけに「ふるさと納税」への参加も始めました。地元の味を全国に広めながら、少しでも地域の活性化につなげられたら嬉しいです。

ベルグレフィンのこだわり|受け継がれる地域への想い



「地元にこだわったお菓子作りを」という想いから、卵は地元の養鶏場から仕入れ、新鮮さと風味を重視。

生クリームも宮崎産を採用し、南九州の豊かな自然が育んだ素材が、スイーツに奥深い味わいを与えます。

長年守り続けている伝統のレシピに、地元の魅力を詰め込むことで、ここでしか味わえない特別な一品が生まれています。

さらに、若いスタッフのアイデアを積極的に取り入れることで、常に新しい驚きと楽しさを提供。斬新な発想が伝統と調和し、訪れるたびに新たな発見が待っています。

お客様からのフィードバックを商品に反映する柔軟な姿勢も、ファンを惹きつける理由の一つです。

西都市やその近隣地域のお客様に支えられていることを忘れず、「お客様を笑顔にすること」を最優先にしています。

地域に愛される洋菓子店ベルグレフィン

地域の恵みと温かさ、そして家族三代にわたる想いが詰まったベルグレフィン。

西都市を訪れた際には、ぜひその特別な洋菓子を味わってみてください。
 

情報詳細

 西都ゆるなび掲載ページ|四季折々のフランス洋菓子「ベルグレフィン」

この記事を書いた人

まつ

2023.01に宮崎県西都市に移住してきた「まつ」です。

西都市地域おこし協力隊として、移住者目線で西都の魅力を発信しています。