宮崎県西都市にある「水野屋」は、1913年(大正2年)に創業した老舗で、多くの市民から愛される和菓子店の一つです。
現4代目社長の妻である水野
舞 さんに、こだわりや思い、今後の展望などについてお話しを伺ってきました。「水野屋」ならではの魅力をぜひ知ってくださいね。
西都市の水野屋|創業ストーリーと店名の由来
老舗和菓子店「水野屋」は、どのようにして誕生したのでしょうか。その経緯と店名の由来についてご紹介します。
初代・水野常太郎の開業ストーリーと受け継がれる想い
水野屋 西都本店
1913年(大正2年)、西都市で生まれ育った水野
常太郎 さんが創業した「水野屋」。その始まりは、戦時中の食糧難の時代に売り出した「あめだま」でした。
常太郎さんは、「良いものを作り、良いものを提供する」という本物志向を貫いた職人。その信念は徹底しており、戦時中に本物の砂糖が手に入らなくなると、「本物でなければダメだ」と、店を一時閉めるほどでした。
人工甘味料を使えば代用できる時代でも、決して妥協しなかったその想い。創業から100年以上が経った今も、「水野屋」には常太郎さんのこだわりがしっかりと受け継がれています。
店舗名の由来
「水野屋」という名前は、創業者である水野 常太郎さんの名字にちなんで名付けられました。その名には、常太郎さんの誠実なものづくりの姿勢が込められています。
水野屋の歴史インタビュー|苦労と喜び、そしてこれから
現4代目社長の妻である水野 舞さんに、水野屋の長い歴史の中で経験した苦労や喜び、そしてこれからの展望についてお話を伺いました。
お店をやっていて大変だったこと
「本物、良いものを提供する」 これは水野屋が創業以来大切にしてきた理念です。このこだわりが強みである一方、大変なことも少なくありません。
水野屋でも機械化は進んでいるものの、今もなお多くの商品は3人の職人の手によって作られています。そのため、使用する素材の質はもちろん、和菓子の出来上がりに至るまで一切の妥協はしていません。
たとえば、人気商品であっても、使用する素材の風味がわずかでも落ちていれば販売を一時休止。職人が実際に味を確かめ、納得できなければ、全て破棄されることもあります。
私自身は現場を傍で見守る立場ですので、正直なところ、その細かな違いを感じ取るのは難しいです。
それでも、ほんのわずかな差にもこだわる職人たちの姿勢には、計り知れない苦労とともに、水野屋の誇りが宿っていると感じています。
お店を続けてきて良かったこと
何よりもうれしいのは、お客様からの「美味しかったよ」という一言。この言葉をいただくたびに、お店を続けてきてよかったと心から思います。
また、お茶の先生が水野屋の和菓子を選んでくださることもあり、そんな方々に「美味しかった」と言っていただけると、これまでのこだわりが報われた気がして、嬉しさもひとしおです。
今後の展望
私たち水野屋は、伝統の良さは守りながら、若い世代にも楽しんでいただける新しい和菓子作りに挑戦していきたいと考えています。
「良いものを作る」ことが私たちの使命。その想いを大切にしながら、和菓子を通じて西都市の発展にも貢献できたら嬉しいです。
老舗 水野屋の受け継がれるこだわり
「水野屋」のこだわりを探っていきましょう。
伝統の味、本物の技
初代 常太郎さんが掲げた「本物、良いものを提供する」という理念は、創業から100年以上経った今もなお受け継がれています。
この伝統は、和菓子に欠かせない「あんこ」に使用する小豆の選定にも現れていて、その都度、品質を厳しくチェックしながら、固定された産地に固執することなく、最適な原料を柔軟に取り入れるそうです。
さらに、製造工程では、あんこを練る際に砂糖の配分を数グラム単位で微調整したり、商品の特徴に合わせて口どけの良さを追求するため、あんこの粗さや滑らかさを細かく調整したりするなど、細部にこだわっています。
2年の歳月をかける新商品開発
現4代目が手掛けた新商品「スイートポテト」
今後の展望にもある通り、水野屋は若い世代にも楽しんでいただける新商品の開発に挑み続けています。
ただ、一つの新商品の完成には、場合によっては2年もの歳月がかかることもあるそうです。
その背景には、保存性を高めるために、砂糖の量を増やして糖度を上げる工夫が必要とされている現実があります。
賞味期限の設定や砂糖の配分といった基本設計から、時代にマッチするかどうかの検証まで、決して一朝一夕では成し得ない、丹念な作業が重ねられているのです。
現4代目が手掛けた新商品「どら焼き くろラム」
和菓子で季節を楽しむ
古来より日本人は、季節の移ろいに敏感で、和菓子を通じて四季の趣を楽しむ文化があるそうです。
水野屋もその伝統を大切にし、春の桜餅や秋の栗ようかんなど、季節ごとの魅力を感じられる和菓子を豊富に取り揃えています。
「水野屋」でこだわりの和菓子を
「水野屋」は、創業100年以上の歴史を誇る老舗和菓子店です。
こだわりの和菓子が味わえる場所として、西都市にお越しの際はぜひ足を運び、伝統の味と本物の技を体感してください。