2023.10.30
全国でも珍しい青い鳥居|速開都比売神社を巡る
by まつ


東京で働いていた大野さんは30歳の時に仕事を退職したタイミングで、自分はこれから何がやりたいのだろうと、自問自答する時期があったそう。
その際に過去の記憶を遡っていたところ小学校4年の時の記憶が蘇ってきたと語ります。
「小学校4年の時に、課外授業で学校で飼っている鴨の絵を描いたんですよ。その絵が褒められなくて、あれ、思ったリアクションが返ってこないなって。それがちょっとショックではあったんですけど、自分の中では凄く楽しめて描けてたなと。」
この記憶をきっかけに、導かれるように純粋に絵が好きだったことに気づいた大野さん。それから絵を描きたいという想いが出てきて絵を描き出すきっかけとなりました。

絵を描き始める前の20代の頃に、友人から貰ったロバート・ハリスのエグザイルスという本をきっかけに、お金が貯まったら海外へ旅をするという生活をし、様々な文化やカルチャーに触れてきたと言います。
自身を語るうえでロバート・ハリスの影響は大きいと話します。
そして東京で仕事を退職した後、絵を描いていこうと決めた際に、まず個展をやろうと思い立ち美術家としての人生がスタートします。

「一発目に東京で個展をやらせてもらうんですけど、HAIDEWAYっていうカフェが原宿にあって、そこをたまたま小林崇さんが経営していて、そこに入り浸ってたんですよ。」
小林崇さんは日本のツリーハウスクリエイター。日本ツリーハウス界の第一人者と称される人で、日本にとどまらずグローバルに活躍をしています。
その後、HAIDEWAYで初の個展を開催。HAIDEWAYではミュージシャンやアーティストなど様々な人たちとの出会いがあったそうです。
その中で写真家であり冒険家の星野春夫や、スペインの建築家アントニ・ガウディの書籍にも触れる機会があり、多くのことを遊びの中で学んでいったとのこと。

3.11(東日本大震災)をきっかけに地元の宮崎にUターンした大野さん。東京からヒッチハイクで宮崎に帰ってきとのこと。宮崎にUターン後もお金を貯めてはカナダやキューバなど海外へ旅に行っていたそうです。
その後、2019年に日本の各地を自転車で周ってみようと思い立ち、自転車で旅に出ることに。
「自転車の旅はそれこそ3か月くらいと思ってたんですよ。でも思ったより全然進まなくて。それってなぜかいうと、その土地土地にめっちゃおもろい人たちがいるんですよ。」
「だから1日とかじゃないんです。もう普通に1週間とか滞在してました。その土地を知ろうと思ったらやっぱりすごい時間がかかるんですよ。結局自転車の旅は7ヵ月くらいになりましたね。」
自転車の旅をする中でも様々な人や土地との出会いがあり、自分から土地のおもしろい場所に飛び込んでいった大野さん。中でも山口県萩市では印象的な出会いが。
「萩市に若手で家具を作っている方がいるときいて、会いにいったんですよ。自分たちのペースで家具製作して、本当にいいスタイルでやっていて、すげーなと思いました。」
「その方たちに教えてもらって、会いに行ったのが陶芸家の濱中月村さんという方でした。実際に会って色々話を聞いたり、作品を見せていただいたり、すごく刺激をもらいました。やっぱり萩市がぶん殴られた感じがして印象的な土地でした。」

自転車の旅を通して全国の多種多様なすごい人を見てきた大野さん。
「独立して自分の足で立っている、自分たちの美意識で生活している、カッコいいスタイルで事業をしている人たちみたいに場所を作りたいと思ったんです。これが未来未完成美術館 ニュージアムを開設する大きなきっかけになりましたね。」

日本全国、そしてキューバ、カナダ、オーストラリア、カンボジア、タイと多くの海外を旅して様々な土地や人を実際に見て触れてきた、大野さん。
未来未完成美術館 ニュージアムの場所として西都市を選んだのにも理由がありました。
「色んな場所を旅してきてキャッチした感覚として、自分が持っている時間軸というのを感じたところがあるんですよ。あまり誰も来なくて、人が少ないような街と、都会の街のスピード感は全く違いました。」
「そして土地が持っている歴史、記憶を強く感じる土地もあるなって考えるようになりました。」
その土地特有の空気感を意識するようになったと言います。中でも時間がゆっくり流れていて、土地の風土から感じる歴史や、昔ながらのオリジナリティに溢れる街並みが残っている西都市に魅力を感じたと言います。

「そして何といっても未来未完成美術館 ニュージアムの庭に生えている木。この木を見た瞬間にここでやろうと決めました。めっちゃ可愛いこいつらって!多分この木に呼ばれたんだろうなと思うくらいシンパシーを感じたんですよ。」
未来未完成美術館 ニュージアムに開設してからは、この西都の土地のパワーもあり制作意欲が格段に上がったと言います。
そして西都の人たちについても語ってくれました。

「かぐらの里の濱砂修司さんとの出会いは大きかったですね。銀鏡神楽をきっかけに濱砂さんの事を知り、数年後に自分がやっているラジオで取材に行かせてもらった時に話を聞いて、こんなにパワーがあってカッコいい人が、西都にいるんだって衝撃を受けました。」
「自分たちの商売にこだわりを持って、しっかり地域に還元している。自分の生き方にちゃんと誇りを持って生きている人たちが西都にはたくさんいるんだって。」
かぐらの里の代表を務める濱砂さんは地域資源である、ゆずづくりから、ゆずを使った加工品まで手がけ、西都市を拠点に全国各地に商品を届けています。
濱砂さんみたいに活躍されている人を見て西都の人にも魅了されていったそう。
「最近は周りの人たちも西都という街にすごく反応してくれていますよ。音楽や芸術とかのカルチャー好きも多いし、主役になれる人が揃ってきていると感じますね。」

未来未完成美術館 ニュージアムを立ち上げた時は自分の思想を反映させるためのひとつの国みたいなイメージで、その空間と社会が接続する意味合いが強かったという大野さんですが、運営をしていく中で変化もあったいう。
「これまで多くのお客さんに来館してもらって、お客さんと空間が混じり合いだしてからもう俺のものじゃないなという感覚が芽生えてきましたね。それこそ展示会をやるアーティストの色が出てその時々で雰囲気が全然違うんですよ。」
これまで自身の作品を展示に加えて、様々なアーティストの個展を未来未完成美術館 ニュージアムで企画してきた大野さんはその展示を見るたびにこの箱を作って良かったと実感する場面に数多く出会ってきた言います。
「何かのきっかけさえあれば世に出る人は多くいると思うんです。その境界線にいるような人の手助けができればいいなと思う。やっちゃいなよ、みたいな。もう一人地域協力店みたいになってきてますね。」

(宮崎アーティストファイル ダブルアップ展)
大野さん自身も2023年6月に高鍋美術館で開催された宮崎の若手アーティストを中心とした「宮崎アーティストファイル ダブルアップ展」に参加したりと美術家としての活動の幅を広げています。
西都市をアート界から盛り上げている未来未完成美術館 ニュージアム、そして美術家大野哲史さん。
人や土地との、出会い・向き合い方を大切し、バイタリティー溢れる人生を歩んできたその軌跡がアートそのものだと感じさせてくれました。
西都ゆるなび掲載ページ|アートと出会う「未来未完成美術館 ニュージアム」
2023.01に宮崎県西都市に移住してきた「まつ」です。
西都市地域おこし協力隊として、移住者目線で西都の魅力を発信しています。
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