炎の祭典(写真提供:西都市観光協会)
西都原古墳群の御陵墓前広場などを会場に、11月の第一土日に開催される西都4大まつりのひとつ「西都古墳まつり」。
その大きな見どころは、初日に行われる「たいまつ行列」から始まる「炎の祭典」。幻想的で迫力ある演出が多くの人々を魅了します。
今回は「西都古墳まつり」の歴史と魅力について詳しくご紹介します。
また、西都古墳まつり実行委員長に「西都古墳まつり」の見どころや思いを伺ってきました。「西都古墳まつり」ならではの魅力をぜひ知ってください!
2024年は11月2日(土)、11月3日(日)に「西都古墳まつり」が行われます。
西都古墳まつりの歴史と由来
炎の祭典(写真提供:西都市観光協会)
どのようにして現代まで西都古墳まつりが続いてきたのか、その歴史をご紹介します。
「西都古墳まつり」の起源は、1394年(応永元年)まで、さかのぼります。
この時代、三宅神社にて行われていた「
天孫降臨祭 」「
国家安穏祭 」「
山陵祭 」の3つのまつりが、現在の「西都古墳まつり」のルーツです。
時を経て、1895年(明治28年)に「山稜祭」、1975年(昭和50年)に「古墳祭」として形を変え、1987年(昭和62年)には市青年団体連絡会の提唱で「西都古墳まつり」として現在の姿となりました。
1996年(平成8年)第10回より
御陵墓参考地 の「
男狭穂塚 ・
女狭穂塚 」が一般公開されるようになります。
その翌年の1997年(平成9年)第11回から、神話の伝承地「高千穂町」で点火された御神火を西都市まで届けるトーチリレーが始まりました。
2003年(平成15年)には全国各地で行われる、地域の個性を生かしたイベントを表彰する「ふるさとイベント大賞」を受賞するなど、全国的にも注目される西都市が誇るまつりの一つです。
西都古墳まつりのメインイベント
「現代の中に古代をめざして」をコンセプトに行われる西都古墳まつり。大きな見どころであるメインイベントをご紹介します。
御神火を繋ぐ「たいまつ行列」
たいまつ行列(写真提供:西都市観光協会)
1日目のメインイベント「たいまつ行列」では、数百人がたいまつを手に、高千穂町で採火されたニニギノミコトの炎と都萬神社で採火されたコノハナサクヤヒメの炎を運びながら、記紀の道を通って御陵墓前広場を目指します。
沿道や石貫階段はランタンの灯りに包まれ、幻想的な雰囲気が広がります。
たいまつの炎を手にした人々が西都原古墳群へと進む姿は、このまつりでしか味わえない特別な光景です。特に石貫階段から見渡す風景は圧巻で、まるで古代と現代が交錯するかのような壮大なシーンが広がります。
受け継がれる伝統の舞「炎の祭典」
炎の祭典(写真提供:西都市観光協会)
西都古墳まつりの初日の夜に行われる「炎の祭典」は、まるで古代にタイムスリップしたかのような体験ができるプログラムです。
ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの物語を、五弦琴やオカリナ、太鼓など古代の楽器が奏でる音楽とともに、優雅な女人の舞、力強い武人の舞、かわいらしい皇子の舞で表現します。
たいまつ行列に続くこの「炎の祭典」は、平成元年に初めて披露され、現代神楽の新たな形として長年にわたり守り続けられてきました。
炎を使った幻想的な演出と、神話の世界を舞と音楽で描き出すこの神話絵巻は、見る人を圧倒する魅力で引き込んでくれます。
子どもから大人まで楽しめるプログラム
11月の第一土日に2日間に渡って開催される西都古墳まつりは、地元の美味しい特産品が並ぶ地場産業展など、子どもから大人まで楽しめるプログラムが盛りだくさんです。その中でも注目のプログラムをご紹介します。
四つの神楽が一堂に会する「神楽まつり」
銀鏡神楽(写真提供:西都市観光協会)
初日に行われる神楽まつりでは、西都市に伝わる4つの伝統神楽を一度に楽しむことができます。
国指定重要無形民俗文化財の「
銀鏡神楽 」、国指定重要無形民俗文化財の「
尾八重神楽 」、さらに「
穂北神楽 」と「
高屋神楽 」がそれぞれ二番ずつ舞を披露します。
通常は各神社の大祭や例祭で11月から12月にかけて奉納されるこれらの神楽が、西都古墳まつりでは特別に一堂に集まり、貴重な舞台を楽しめるのが大きな魅力です。
古代の生活を体感できる「火おこし体験」
1日目、2日目と両日行われる、火おこし体験では、古代の人々が使っていた火起こし器を使い、実際に火をおこす貴重な体験ができます。
スイッチ一つで簡単に火をつけられる現代とは違い、昔の人々がどれほど苦労して火をおこし、火がいかに大切だったかを実感できるコーナーです。
ぜひ火おこし体験を通じて、火のありがたさとその重要性を感じてください。また、まつりで使われる御神火もこの火おこし班の手でおこし、会場を彩ります。
1年でこの日だけ「御陵墓一般参拝」
まつり会場の西都原御陵墓前広場の隣には、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの御陵墓と伝えられる男狭穂塚と女狭穂塚があります。
この御陵墓は普段は立ち入りが禁止されていますが、まつりの2日目には1年に一度だけ一般参拝が許可されます。
ぜひこの歴史的な場所を訪れ、古代の神話に触れてみてください。この日だけの特別な体験となることでしょう。
実行委員長に聞く「西都古墳まつり」への想いと見どころ
第38回西都古墳まつりの実行委員長、
関 洋平 さんに「西都古墳まつり」への想いと見どころをお伺いしました。
西都古墳まつりを通じた地域づくり
西都市出身の関さんは、10年前に「炎の祭典」に参加したことがきっかけで、「西都古墳まつり」に深く関わるようになりました。
それ以来、実行委員会のメンバーとしてまつりを支えてきましたが、2024年度からは前任者の信頼を受けて実行委員長に就任しました。関さんは、地域の伝統を守りながらまつりをさらに盛り上げる決意を新たにしています。
実行委員会の活動を通じて、感じることがあったという関さん。
「普段はなかなか関わることのないメンバーが集まり、西都古墳まつりについて共に考えることが、地域づくりにつながっていると思います。」
また、西都古墳まつりの重要な役割も感じています。
「若い人から年配の方たちまで、たくさんの世代の方たちに参加してもらって地域の絆を深めていきたいですね。そして、西都古墳まつりを次の世代へと繋げてきたいです。」
特に若者には積極的にチャレンジしてほしいと考えており、若い世代へ西都古墳まつりを引き継いでいくことが自分たちの役割だと、その想いを語ってくれました。
西都古墳まつりの見どころ
「西都古墳まつり」の最大の見どころは、やはり「たいまつ行列」と「炎の祭典」です。火を使ったまつりは全国でも珍しく、大きな見どころになります。
「特にのたいまつ行列と炎の祭典は、他の地域でも、なかなか見ることのできない炎を使った催しです。その雰囲気と迫力を生で感じて欲しいです」と熱く語り、今年の盛り上がりにも期待を寄せています。
2023年は600名以上の方がたいまつ行列に参加し、神秘的な情景が広がったとのこと。また、炎の祭典は迫力ある舞で大きな盛り上がりをみせるメインイベントです。
「西都古墳まつりを通じて西都市を訪れる人が増え、地域への関心が高まることが、まちの活性化になって欲しいです」と語る関さんの情熱は、地域の未来を明るく照らしています。
地域の人々と訪れる観光客が一体となり、火を灯した、たいまつが幻想的に揺れる光景は、多くの人々の心に残ることでしょう。
西都古墳まつりに行ってみよう
西都古墳まつりは、古代と現代をつなぐ特別な時間を体感できるまつりです。壮大なたいまつ行列や神話を表現した炎の祭典など、歴史と伝統が息づく催しが多くの観客を魅了します。
古墳の地に伝わる神秘と共に、訪れる人々がその魅力を再発見できる貴重な機会です。ぜひみなさんも西都古墳まつりで古代ロマンを感じてみませんか。